
「お前、他に男いるだろ」と送った俺→彼女から同じ一言が返ってくる前に、打って消していた質問
彼女から返ってきたのは、俺が送ったのとまったく同じ文面でした。返事を書き始めると長くなり、読み返しては消すばかり。最後に残ったのは、短い謝罪の2行だけでした。
送る前に消した質問
彼女からの返事は、同期会が始まって1時間ほどで途切れていました。「まだ終わらないの?」と送っても、未読のまま。
入力欄に最初に打ったのは「他に好きな人できた?」でした。もし「うん」と返ってきたらと考えると、送れずに消しました。
前の恋人と別れたときも、始まりは返事の間隔でした。返事が1時間遅れ、半日遅れになり、やがて前の恋人から別の相手の存在を告げられた。同じ順番をなぞっている気がしていたのです。
代わりに打ったのが「お前、他に男いるだろ」。質問にしなかったのは、傷つく側より責める側にいたかったからでした。彼女をお前と呼んだのは、それが初めてです。
一字も違わない一言
しばらくして、俺の送った2件に既読がつきました。少し間があって届いたのは、彼女からの一言。開くと、「お前、他に男いるだろ」。
俺が送った文面と、一字も違いませんでした。からかわれたのだと受け取り、言い返す文章を打ちかけたところで、画面を見直しました。
彼女のアイコンの横に並んだその一言は、自分が送ったときとは別の文に見えたのです。問いの形をしていないので、返しようがない。違うと言えば言い訳になり、黙れば認めたことになる。こんな文を、俺は彼女に送っていました。