
彼女から届いた手帳の写真に、俺が言えずにいた話の答えが書いてあった
1枚の写真が届いたのは、既読がついてしばらく経ってからでした。拡大した画面のいちばん下に、小さな字で書かれた言葉を見つけました。
同僚の質問に笑ってごまかした日
内示の出た日、部署の同僚たちが飲みに誘ってくれました。「彼女はついてくるの?」と聞かれ、グラスを持ったまま笑ってごまかしました。
3年付き合ってきたのに、彼女の口から将来の話を聞いたことはほとんどありませんでした。こちらから聞いても「そのうちね」と流されてきたのです。仕事を辞めてまでついてきてほしいとは、とても言い出せませんでした。
断られるのが怖かったのだと思います。
確かめるつもりで送った言葉
駅までの道で、「この先どうしたいとか、考えてる?」と送りました。
返ってきたのは「うーん、まあなんとかなるでしょ」。
その返事を読んだとたん、鞄の中の内示の紙が頭に浮かびました。気づけば「お前とは将来が見えない」と打ち、送信していました。普段は使わない呼び方でした。
本当に将来が見えていなかったのは、俺のほうでした。転勤先での暮らしも、そこに彼女がいるかどうかも、何も思い描けていませんでした。自分の迷いを、彼女の返事のせいにしたのです。
既読がついてから、しばらく返事はありませんでした。取り消す言葉を探しているうちに、1枚の写真が届きました。