
「作業が早いから」と仕事を任せ続けた私が、休暇中の同僚へ電話した理由
月末の締めを任せてきた同僚が5日間の休暇に入り、私は初めて作業の全体を前にしました。机に積んだ書類は減らず、手順書の場所を聞くため、休暇中の相手へ電話をかけました。
覚えることから逃げていた私
月末の締めを最初に頼んだ日のことは覚えています。「作業が早いから、お願いしてもいい?」と声をかけました。
相手の仕事が早いことは事実でした。しかし、それだけが理由ではありません。数字を扱う作業で間違えるのが怖く、手順を覚えることから逃げたかったのです。頼めば断らない人だとも分かっていました。
同僚が5日間の休暇を申請すると、引き継ぎ用の手順書を渡してくれました。私は「大丈夫、なんとかなるって」と答え、内容を確認しないまま机の端へ置きました。分からないと認めて教わることを、恥ずかしいと思っていました。
休暇中にかけた電話
締めの作業を始めると、書類はほとんど進みませんでした。どの数字を照合し、どの資料へ反映するのかも把握していなかったのです。そこで初めて、私は作業の一部を任せていたのではなく、全体から逃げていたと分かりました。
電話をかける前に、発信画面を何度も開きました。休暇中に連絡すること自体が、自分の準備不足を相手へ押しつける行為だと分かっていたからです。それでも締め切りは待ってくれません。
つながると、私は「お願い、締めの処理のやり方を教えて」と頼みました。返ってきたのは、「手順書は、私のデスクの一番上の引き出しにあります」という答えでした。電話で細かく教えてもらうつもりだった私は、その言葉で、休暇前の手順書を読まなかった自分を思い出しました。