
「今日の占い、最悪だった」最下位だったのは俺の星座じゃない。大事な話を次の休みに延ばしたわけ
店で彼女の指先を見た時、自分の送った文面がどう読まれていたのか、ようやく気づきました。占いを開いた理由は、付き合い始めの頃のある会話にありました。
付き合い始めに聞いた一言
俺のアパートの更新の書類が届いたのは、その少し前です。付き合って3年、そろそろ一緒に住もうと言うなら今だと思っていました。
占いを見る習慣は、俺にはありません。開いたのは彼女の星座の欄でした。付き合い始めた頃、彼女がこう言っていたのを覚えていたからです。
「占いが最下位の日は、大事なこと決めないようにしてる」
その最下位の日に、大事な返事をさせるわけにはいきませんでした。
逃げ道をふさぐための予約
正直に言えば、日を改める理由ができて少しほっとしてもいました。ただ、ずるずる先延ばしにしそうな自分も分かっています。その場で店を予約し、逃げ道をふさぐつもりで彼女に送りました。
「今日の占い、最悪だった」
「だから大事な話は今日はやめとく」
「次の休み、ちゃんとした店予約したから空けといて」
誰の占いかを書かなかったのは、わざわざ彼女の星座を調べたと知られるのが照れくさかったからです。
彼女からは、ほどなく返信が届きました。
「大事な話って?」
俺はすぐに目を通しました。同棲と書けば済む話です。けれど文面で先に伝えると、店に来る前に答えを決めさせてしまう気がしました。何度か打っては消し、最後に残ったのがこの一文です。
「会ったらちゃんと言う。俺たちのこれからのこと」
彼女から「わかった。空けとく」と届くまでには、しばらく間がありました。今頃は仕事に追われているのだろうと思い、それ以上は送りませんでした。