
「笑わないで」と送ってから3時間、ためらったメッセージは「猫カフェ行こう」
「今から言うこと、笑わないで」と送ったあと、続きを2回打って、2回とも消しました。彼女に伝えたかったのは猫に触れたこと。でも、その話をするなら、半年前についた嘘も謝らなければなりませんでした。
猫が膝に乗った日
俺は昔から動物が苦手でした。触れないと言うのが恥ずかしくて、できるだけそういう場面を避けてきました。半年ほど前、彼女が何かの話の流れで「猫カフェってちょっと行ってみたいかも」と言いました。俺は咄嗟に「俺、猫アレルギーだから」と返しました。アレルギーはありませんでした。28歳にもなって動物が怖いと言うのが格好悪く感じて、嘘をつきました。彼女は「そっか」と返し、それから猫カフェの話は出なくなりました。俺も嘘を訂正しないままにしていました。ただ、あのときの会話だけはずっと覚えていました。
友達の猫で少しずつ練習しました
しばらくして、猫を飼っている大学時代の友達にその話をしました。何度か遊びに行くうちに、最初は離れた場所から見るだけだった猫の近くにも、少しずつ座れるようになりました。彼女には何も言っていませんでした。この日、友達と話していると、猫が俺のところまで歩いてきました。そのまま膝に乗り、しばらくそこにいました。帰り道、すぐ彼女に伝えたくなりました。
「今から言うこと、笑わないで」
勢いでそこまで送ったあと、続きを打ち始めました。
「動物が苦手で、友達の猫で練習してた。今日、初めて膝に乗った。猫カフェ、行こう」
そこまでは書けましたが、送るのをためらいました。