
「今から言うこと、笑わないで」彼のメッセージはそこで3時間止まった→「猫カフェ行こう」
入力中の表示が2回出て、2回とも消えました。私が送れたのは「読んでるよ」だけ。最初のメッセージから3時間ほどたって届いた内容を読んだあと、私は半年ほど前の会話をようやく思い出しました。
「笑わないで」で止まったメッセージ
付き合って3年、別々に暮らす彼とは毎日メッセージを送り合っていました。届いたのは「今から言うこと、笑わないで」。それだけでした。いつもの彼なら、前置きだけ送って長く止まることはありません。私は「うん」と打ってから消し、いったんスマホを伏せました。洗い物を終えても、続きは来ませんでした。しばらくして入力中の表示が出ましたが、何も届かないまま消えました。少したって、また入力中になりました。けれど、それもすぐに消えました。仕事のことなのか、私たちのことなのか。考えても分からないのに、時間がたつほど悪い想像ばかり増えていきました。別れ話だったらどうしよう。何か言えずにいることがあるのだろうか。2回目の表示が消えたあと、私は「読んでるよ」とだけ送りました。既読はすぐにつきました。
3時間後に届いた続き
それからもしばらく何も届きませんでした。最初のメッセージから3時間ほどたったころ、3回目の入力中の表示が出ました。今度は消えず、そのまま続きが届きました。
「動物が苦手で、友達の猫で練習してた。今日、初めて膝に乗った。猫カフェ、行こう」
猫カフェ。
その言葉を見て、私はしばらく画面を見たままでした。そこでようやく思い出しました。半年ほど前、何かの話の流れで「猫カフェってちょっと行ってみたいかも」と言ったことがあります。彼は「俺、猫アレルギーだから」と返し、私は「そっか」で終わらせました。そのあと自分から話題にしたこともありません。言った本人の私でさえ、ほとんど忘れていました。