
「ただの目印だよ」とだけ返す彼→私の合鍵にだけ番号札、自分だけ仕分けられた気がした
理由をたずねても、彼ははぐらかすばかり。気持ちを言葉にしない人だとわかっていても、自分だけがそっけなく仕分けられたようで、小さなわだかまりは残ったままでした。
同じ鍵が二本、札があるのは私の分だけ
半年ほど前から、彼の部屋で過ごす時間が増えました。先日、彼が「これ、合鍵」と手渡してくれたのが、その鍵です。彼の鍵とまったく同じ形なのに、私の分にだけ番号札がついていました。
渡すとき彼は、「同じ鍵だと、どっちがどっちかわからなくなるから」と説明してくれました。なるほどとは思いつつ、引っかかりは残ります。見分けるためなら、彼のほうに札をつけてもいいはずでした。
番号で仕切られているのは、私のほう
それから、合鍵を使うたびに札の番号が目に入りました。数字そのものに意味があるとは思えず、ただの管理番号のように見えます。彼の鍵には何もついていません。
札のない彼の鍵と、番号を割り振られた私の鍵。並べて置くと、自分だけが別の扱いを受けているようで、心細さがありました。彼にとって私は、入れ替えのきく一人なのかもしれない。そんな想像が、勝手に膨らんでいきました。