
彼の予約確認に並んでいたのは→よりによって、私がいちばん苦手な窓際の席だった
スマホに届いた予約確認のメッセージを、私は何度か読み返しました。彼が選んでくれたのは、二人でよく話に出るあのお店です。ただ、添えられていた席の指定だけが、どうしても気になってしまったのです。
予約は取れた、と彼は言った
「予約は取れたよ。窓際の席、お願いしておいたから」
彼からのメッセージは、そんな一文で締めくくられていました。お店が取れたのは嬉しいはずなのに、私はすぐに返信を打てずにいました。窓際の席。それは、私がいちばん落ち着かない場所だったのです。
言えないまま、苦手な席だけが残った
あのお店の窓際は、入口の風がまっすぐ届く席です。以前に座ったときは、最後まで上着を脱げませんでした。人の出入りも近くて、料理の味より周りの動きにばかり気を取られてしまう。けれど私は、その苦手を彼にはっきり伝えたことがありませんでした。わざわざ言うほどでもないと、自分でのみ込んできたのです。
だからこそ、彼が選んだのが他でもないあの席だったことに、引っかかってしまいました。最近の彼は仕事が立て込んでいて、連絡も短くなりがちでした。私のことなんて、もう細かく気にかけていないのかもしれない。そんな考えがよぎって、それでも私は「ありがとう、楽しみにしてるね」とだけ返しました。