
「君の分も頼んどいた」彼女に聞かず毎回2人分を注文していた俺→その日、彼女はフォークを持ちませんでした
彼女のためだと思っていました。残されたサラダと、伝票の上のお金。あの日から、俺は注文の前に聞くようになりました。
俺が選ぶのが当たり前だった
俺は昔から、店選びや注文をさっと決めるほうが気が利くと思っていました。彼女が迷わなくて済むし、会計も抑えられる。メニューを見ると、つい値段から選ぶ癖もありました。自分が決めることで、むしろ楽をさせているつもりだったのです。あの日も、彼女が来てすぐに言いました。「君の分も頼んどいた」。俺の前には大盛りのパスタ、彼女の前にはミニサラダのセット。うまくやっている。俺はそう思い込んでいました。
「君のためだよ」の中身
その日、彼女はフォークを持たず、俺に聞いてきました。「どうして私の分まで決めたの?」。俺は正直に答えました。「最近太ってきたでしょ。サラダのほうがいいって」。それから伝票を指して、「値段も安いし、君のためだよ」。節約も体型のことも、彼女のためを思って選んだつもりでした。けれど、俺が見ていたのはメニューの右端の値段と、彼女の見た目だけ。彼女が何を食べたいのかを、俺は一度も聞いたことがなかったのです。