
妻に任された家事を完璧にこなした1ヶ月。なのに妻が笑わなくなった理由
「やってみなよ」。妻のその一言に背中を押され、家事に向き合った1ヶ月間。俺は気づかないうちに、大切なことを見失っていました。
言えなかった「手伝おうか」
「このたたみ方だとシワになるよ」。俺がそう言ったのは、本当は手伝いたかったからです。でも「手伝おうか」の一言が、なぜか出てこなかった。妻は毎日テキパキと家事をこなしていて、そこに入る隙がないように見えたのです。だから、せめて気づいたことを伝えようとしました。それが結果的に、ただの口出しになっていたことは、ずっとあとから知りました。
「味付け、もう少し薄くてもいいかも」。これも同じです。会話のきっかけが欲しかっただけ。でも妻にとっては、何もしない人間がソファから飛ばす批評でしかなかったのだと思います。
ようやくもらえた許可
あの土曜日、妻が「家事に口出すならやってみなよ」と言ったとき、怒っていることはわかりました。でも同時に、ずっと待っていた言葉でもあったのです。
「わかった、やってみる」。そう返したとき、ようやく入り口に立てた気がしました。翌日からアラームを朝5時にセットし、洗濯の手順はスマホで調べ、料理は動画を見ながら覚えました。全部ちゃんとやれば、妻を楽にしてあげられる。あの疲れた顔を見なくて済む。その一心でした。