
「ごめん、380円だけ貸してくれる?」と頼んだ私が、謝罪をやめられなかった理由
送信したあとも、私は謝る言葉を探し続けていました。彼女から届いた返信は、拍子抜けするほど短いものでした。
380円が、頭から離れない
高校時代からの友人と、久しぶりにカフェで会った日のことでした。会計で端数が出せず、私は彼女に頼みました。
「ごめん、380円だけ貸してくれる?」
彼女は笑って小銭を出し、近くのATMに寄るのも、次に会うときでいいと返してくれました。それでも私は、駅で別れて1人になった途端、380円のことばかり考え始めていました。改札を通る間も、電車の窓に映る自分を見ている間も、頭の中では同じ場面が繰り返されていました。
謝りの文を、書き足し続けた
私には、ちゃんと理由を聞けないまま疎遠になった友達がいます。専門学校の頃、少額の立て替えを何度もしてもらい、笑って流しているうちに、その子からの連絡が減っていきました。理由を確かめる勇気が出ないまま、疎遠になりました。だからあの日も、帰宅してすぐ送金を済ませ、謝罪の文を打ち始めました。
「今日は嫌な思いをさせてしまってごめんなさい」
最初の段落を書いても足りない気がして、書き足すほど、送る前から返事が怖くなりました。謝りたいというより、嫌われていないことを確かめたかったのだと思います。結局長くなった文章を3件に分け、最後に「嫌いにならないでほしい」と打って、目をつぶりながら送信しました。