
お兄ちゃんの育休=楽だと思ってた私→実家で見た光景に、自分の偏見が恥ずかしくなった話
兄の育休を「家にいるだけ」と笑った私。実家で見た兄のスマホとメモ帳に並んでいたものに、自分の口から出た言葉の浅さを思い知った話です。
「ずっと家にいるだけでしょ?」
リビングに入ると、兄が息子のオムツを替えていました。子どもの頃から知っている兄が、こんなに手慣れた動作で甥のお世話をしている姿が、なんだか妙に新鮮で、つい軽口を叩いてしまったのです。
「お兄ちゃん育休とか何してるの?ずっと家にいるだけでしょ?暇じゃない?」
職場で耳にする「育休=休み」というイメージが、頭にこびりついていました。実際、職場で育休を取った男性社員のことを、先輩たちが「いいよなあ、家でゴロゴロして」と笑っていたのに、私も相槌を打っていた一人だったのです。
兄は手を止めずに「そんなふうに見える?」と笑い返しました。私は「だって、寝かしつけて、ご飯あげて、それくらいでしょ?」と続けて、ソファに座りました。
スマホとメモ帳
しばらくして、テーブルに置かれていた兄のスマホがふと目に入りました。ロック画面には、見たことのないアプリの通知がいくつも並んでいます。授乳時間、離乳食、予防接種までの日数。隣には、開いたままのメモ帳がありました。保育園の見学スケジュール、入園に必要な書類のリスト、アレルギー対応の食材まで、ぎっしりと書き込まれていたのです。
「これ全部……お兄ちゃんが?」。声が、自然と小さくなっていました。兄は「うん、まあ、必要だから」と、何でもないように答えました。義姉は看護師で夜勤があり、少し前には祖母の看病で1週間家を空けたと、母が前に話していたのを思い出しました。その間、兄は1歳の息子を一人で見ていたということです。
私が「家にいるだけ」と笑った育休の中身が、そこにありました。