
「気分じゃない」が口癖の彼。私が同じ言葉を言った途端、毎日質問攻めにしてきて…
外から帰ると、キッチンから音が聞こえてきました。同棲して2年になる彼が、珍しく台所に立っていたのです。ところが、そのとき私の口から出たのは、彼がいつも使っている言葉でした。
口ぐせは「気分じゃない」
彼の「気分じゃない」には、これまで何度も付き合ってきました。駅前にできたラーメン店に誘ったとき。前から観たかった映画の公開初日。割引キャンペーン中の水族館。そのたびに「今日は気分じゃない」と言われ、「じゃあまた今度ね」と予定を引っ込めてきたのです。
理由を聞いたこともありますが、返ってくるのは「なんとなく」だけ。深追いすれば空気が重くなるので、いつからか聞くのもやめていました。
その週は仕事の締め切りが重なり、帰るころには頭の中が数字でいっぱい。キッチンから顔を出した彼に「ハンバーグにしようと思うんだけど、いい?」と聞かれ、出てきたのが「今日は気分じゃないかな」という言葉でした。
責めるつもりはなく、本当にそういう気分ではなかっただけです。
帰るたびに続いた質問攻め
彼の様子が変わったのは、その日からでした。「じゃあ何なら食べられそう?」「うどんとかは?」と候補を次々に挙げ、首を横に振ると、今度は冷蔵庫の中身を順に読み上げていきます。翌日も、その翌日も同じ。
帰宅すると玄関で待っていて、顔を見るなり「今日はどう?」。週末の水族館の話をしかけると、答える前に「無理しなくていいからね」と先回りされてしまいました。
気遣ってくれているのは分かるのに、少しも休めた気がしません。彼が気分じゃないと言ったとき、私はそっとしておいてきました。同じことを、どうして彼はしてくれないのか。冷蔵庫に増えていく食材を見るたびに、もやもやが積もっていきました。