
「あの家、昼間からカーテン閉めっぱなしで怪しい」に頷いた私が、輪の中で初めて言い返した日
「でも、最初から言ってくれれば疑わなかったのにね」という一言に、私は初めて輪の中で言い返します。その足で向かった玄関先には、もう1つの答えが待っていました。
ゴミ捨て場の輪で、私はうなずいてしまいました
「あの家、昼間からカーテン閉めっぱなしで怪しい」
そう口火を切ったのは、角の家の年上の女性でした。この住宅街ではゴミ出しのついでに立ち話が始まるのが習わしで、私も越してきてから輪に加わるようになっていました。向かいの家には、少し年上に見える女性が1人で住んでいます。挨拶は返してくれますが、それ以上の会話をしたことはありませんでした。
「うちからも、開いているところを見たことがないです」
自分の口から出た相づちに、輪の何人かが笑いました。その時、向かいの家の玄関がわずかに開き、すぐに閉まりました。私は袋を持ち直して、聞こえていないことにしました。
電柱に、探し猫の張り紙が増えました
数日後、角の家の女性の猫が窓から出たまま戻らなくなりました。電柱に張り紙が貼られ、立ち話の話題はその猫一色になりました。
「猫がいなくなったのと、あの家に箱が届いてるの、重なってない?」
誰かがそう言い、輪の空気が変わりました。根拠のない話だと私も分かっていましたが、否定はしませんでした。向かいの玄関先には、大きな箱がいくつも置かれたままでした。