
「ごめん。今日は食べられない」優しい夫に本音を言えなかった、私の理由
夫の作る食卓は、いつも完璧でした。それでも箸が進まなかった理由と、言い出せずにいた弱さを、私はやっと夫に打ち明けます。
毎日並ぶ、完璧な食卓
夫は結婚してから、私より先に起きて食事の支度をしてくれるようになりました。味噌汁に焼き魚、目玉焼き。感謝していないわけがありません。ただ私にとって出勤前は、白湯を1杯飲みながら、1人で頭とからだを起こしていく時間でした。夫の優しさと引き換えに、その時間は湯気の立つ食卓に変わり、目を覚ました瞬間から食事が始まる毎日になりました。
言えなかった弱さ
「おいしい」と言えば夫はうれしそうに品数を増やし、私は皿を空にすることに追われました。断ればいいと、自分でも分かっていました。それでも、並んだ皿を前に首を振る勇気が出ませんでした。夫を傷つけるのが怖くて、拒んだと思われるのが怖くて、私は毎回箸を持ち続けました。もらってばかりの自分も、どこかで居心地が悪かったのです。本当は、私だって夫の優しさに応えたいのに、目の前の食事を食べ終えるために席に着く日々がつづきました。