
彼が送ってきた夕飯の写真の隅に、見覚えのないものが写っていて、私は彼を疑い始めた
聞いても彼ははぐらかすばかり。返信の遅れも、言葉の選び方も、全部が証拠のように思えてきて。確かめるのが怖いのに、確かめずにはいられませんでした。
食卓の写真に添えられた一言
付き合って二年になる彼とは、離れた街で暮らしています。その日も、夕飯を作ったという報告がてら、彼は手料理の写真を送ってきました。「うまくできた」という一言が添えられていて、私も笑顔の絵文字で返すつもりでした。ところが皿の向こう、棚の隅にちらりと写った小さな箱に目がとまったのです。淡い色のパッケージは、彼がいつもつけている銘柄とも違う、私が見たこともない香水のものでした。以前に私が選んで渡したのは、彼がいつもつけている別の銘柄です。
知らない香水が、なぜ彼の部屋にあるのか。料理の感想を打ちかけたまま、私はそのことばかり考えていました。
聞いても返ってこなかった答え
思い切って、私は箱の写った部分を切り取って送りました。「これ、誰の香水?」と。返信は、いつもならすぐ来るのに、その日はなかなか来ませんでした。ようやく届いたのは「ああ、それは気にしないで」という一言だけ。誰のものとも、なぜあるとも書いていません。気にしないでと言われるほど、私の気持ちは逆を向きました。それから彼は、当たり障りのない話題で会話を続けようとしました。私は相づちを打ちながら、頭の中で知らない女性の姿を勝手に思い描いていました。