
彼女と会う日だけ指輪を外していた俺が→誤解されるのが怖くて、言えなかった事情
彼女の前で指輪を外すたび、本当は少しだけ後ろめたさもありました。けれど俺は、その理由をうまく言葉にできなかったのです。退勤して待ち合わせへ向かう前に、左手の指輪をそっと抜き、鞄の小さなケースにしまいました。これで安心して彼女に会える、とそのときは思っていました。その習慣がどれだけ彼女を傷つけていたか、俺はまるで気づいていなかったのです。
彼女の前では、指輪を外していた
彼女と会う日も、職場では指輪をつけたまま過ごします。外すのは、退勤して彼女と落ち合う、その直前でした。一日中机に向かう仕事なので、指輪をぶつけることも、ふいに外れることもありません。けれど彼女と出かける日は、料理をしたり、あちこち歩いたりと、手をよく使います。だからこそ外していて、それは指輪を守るための行動でしたが、彼女から見れば疑問に感じるのも無理はなかったのだと思います。
「つけてるんだね」と言われて
ある日、彼女に言われました。
「私の前では外すのに、職場ではつけてるんだね」
責める口調ではなかったぶん、かえってこたえました。どう話せば誤解されないか、考えているうちに、俺は黙り込んでしまいました。その沈黙が、彼女をさらに不安にさせたのだと思います。