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    「虫が出た!」と泣きついてきた彼女に最善のつもりで返信した俺が、最後の一文で動けなくなった夜

    2026-05-06

    「虫が出た!」と泣きついてきた彼女に最善のつもりで返信した俺が、最後の一文で動けなくなった夜

    助けを求めてきた彼女のために、必要な情報を集めようとした夜。冷静なつもりだった自分が、振り返ると、ただ冷たいだけの男に見えていたのかもしれません。

    短すぎたメッセージ

    夜10時過ぎ、彼女から「虫が出た!」とだけ届きました。文字数の少なさに、ただごとではない焦りを感じました。彼女が虫を苦手にしているのは知っています。すぐに頭の中で段取りを組みました。

    一口に虫と言っても、虫の種類によって対処は違います。スプレーで仕留めるのが速いか、紙で覆って外に出すのが安全か。判断するためには情報が要ります。「写真送って」と返したのは、最短で解決するための第一歩のつもりでした。

    「写真より先に来て」

    返ってきたのは「無理」でした。怖くて撮れないのは想像がつきます。それでも「種類がわからないと対処できない」と続けました。届いたのは「写真より先に来て」。読んだ瞬間、少しだけ苛立ちました。

    今から電車に乗っても30分はかかる。そのあいだに虫が移動して見失えば、彼女は朝まで眠れません。彼女のためには、まず相手を特定するほうが早い。だから「まず種類を」と返しました。画面の向こうの彼女がどんな顔をしているのか、俺はそのとき、想像しようとしていませんでした。

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