
ネイルサロンは不思議な空間。
◇結婚相手の決め方
「愛子さん、結婚の決め手ってなんですか?」
「難しいこと聞きますね!」まりあさん(仮名)の質問に思わず大きな声が出た。
「だって、みんないろんな人と付き合う中で結婚相手ってどうやって決めてるのかわかんないんですもん」
“結婚はタイミング”なんて言われるけれど、それだけじゃイメージがわかないのが、「結婚するとき」。今回は”結婚はタイミング”の謎解きもできてしまうかもしれないお話です。
◇「結婚はタイミング」の秘密
「決め手…決め手なぁ。タイミングですよねぇ。みんな言うと思うけど」まずは、ありきたりな答えを返してみたけれど、全部言うまでもなくまりあさんの目が「不満」を物語っている。
「それみんな言うけど、タイミングってなんですか?お金溜まったとか?」矢継ぎ早の質問が続く。
「お金もありますけどね。仕事のタイミングとか引っ越しのタイミングとか?」
「そんなの夢がない…」嘆くまりあさんを見て笑ってしまう。
「結婚なんてそんなもんですよ(笑)でも”結婚はタイミング”て、意味はもっと深いですけどね。」
興味津々な目でまりあさんが身を乗り出す。
結婚のタイミングっていろいろある。お金が溜まったとか、会社で役職がついて給料が上がったとか、転勤が決まったとか「環境のタイミング」てすごく大きい。でも実は、そればかりが「タイミング」ではないのに、大人はみんな気恥ずかしくて「結婚はタイミングだ」なんて言ってしまうのかもしれない。
恋愛を始めたころって、彼への要望も不平不満も多くなる。「あぁしてくれなかった。」「こんなことされた」「彼がわかってくれない」「彼の考えがおかしい」彼の方も、自分の理想の女性像を押し付けてくるし、女性も、理想の彼氏像を押し付けがちだ。
でも、何人かと付き合うとわかってくる。
「自分の理想とする人、全ての価値観が合う人」はなかなかいないってこと。
8割の価値観は合うけど2割は合わない。そんな相手に出会えたらラッキーなほうだろう。
「結婚のタイミングってね、たくさんの人と知り合って、多様な個人の価値観に触れて”自分と他人は違うんだ“て理解できたときだと思うんですよ。」まりあさんに問いかけてみた。
◇おわりに

「愛は相手を許すこと」なんて言葉を聞いたことがある人もいるはず。これ、浮気を許すとかそんな次元の話しじゃない。
どんなに愛する相手でも価値観の違いはもちろんあって、ごはんの食べ方が汚いとか、部屋が片づけられないとか、八つ当たりしてくるとか、お風呂になかなか入らないとか、それはそれはいろいろとあるんだけれど「仕方ないなぁ」なんて相手の「違い」を許せたときが結婚のタイミング”なんだと思う。
結婚って「生活」。恋愛ではない。
最初こそ、かわいいふわもこなルームウエアを着ても、3年経つ頃にはTシャツとパンツだけ、なんて格好になる。生活なのにいつまでも格好つけていられないのだ。そんなとき「ふわもこを着ろ!」なんて価値観を押し付けられるとめんどくさい。
ふわもこだからって、真冬にショートパンツで過ごせるわけがないのだ。寒いし。
「こうあって欲しいけど、まぁ仕方ないか」
他人との違いを認められるようになったときに、給料が上がったり転勤があったりしたら「この人とは生きていけそうだな」と思うのは自然なこと。
これまさに”結婚のタイミング”だ。
結婚したいのになかなかできない人って「あれが嫌だ」「こうじゃなきゃ嫌だ」「年収はいくら以上」なんて自分の中にあるルールに他人を従わせようとする人が多い。
でも、人生はその人のものなわけで、他人の価値観に合わせたり要望を叶えるためだけに生きていける人はなかなかいないのだ。
結婚は1人の人生を2つ合わせて進めていくことであって、2つを混ぜて1つにするのとはちょっと違うんだな。
「だからね、結婚の決め手は”まぁ、この人ならいいか”て思えたときです」明確に答えてみた。「うちの旦那さん、料理はできないし、家事も完璧ではないし、好き嫌い多いし、めんどくさいんですけど、まぁいっか!て許せるから結婚したんですよ。
多分、不満あるのはお互い様なんですけど」大笑いする私をよそにまりあさんは難しい顔をしている。
「許せる…かぁ」
相手の嫌なところ、不満に感じるところに直面したとき「こうして欲しいんですけどどうですか?」と提案してお互いがすり合わせて生きていくのが結婚。
「こうじゃなきゃだめ!」「こうあるべき!」なんて押し付けて、相手を変えようとしている間は、結婚のタイミングはずっと訪れないに違いない。
「妥協するってことですか?」
まりあさんの質問に「全く違います」と大笑いしておいた。(川上あいこ/ライター)
(かしゅかしゅ@cashe_cashe2525/撮影)