
友人の猫を預かった私が、初日の写真を送り続けてしまった理由
送信ボタンを押すたび、次こそ本当のことを言おうと決めては、先延ばしにしていました。彼女から写真について聞かれ、避けてきた説明から逃げられなくなりました。
「任せて」と受け取った合鍵
旅行に出る友人から猫の世話を頼まれたとき、私は「任せて」と答えて合鍵を受け取りました。玄関の収納にキャリーがあることも、そのとき彼女から聞いています。初日に部屋を訪ねると、猫はソファの下に隠れたまま出てきません。それでも粘って待つうちにクッションの上へ移ってくれて、私はその姿を1枚だけ撮り、「今日も元気だよ」と送りました。餌皿にごはんを盛り、翌日また来ることを心に決めて部屋を後にしました。
減らないごはん
2日目の部屋は、前日のままの空気でした。餌皿は手つかずで、名前を呼んでも物音1つ返ってきません。このまま食べなかったらどうしようという不安だけが積もっていきます。彼女へ確認すべきだと分かっていました。それでも、世話ができないと知られるのが怖くて、彼女へ連絡する代わりに、家族が以前利用したペットホテルへ電話をかけてしまったのです。事情を説明すると、受け入れてもらえることになりました。しばらく待つとソファの下から出てきてくれたので、玄関のキャリーへ入れ、そのままホテルへ連れて行きました。猫を預けたあと、私は初日の写真をもう一度選んで「ごはんも食べたよ」と送りました。嘘だと分かっていました。それでも「任せて」と言った手前、できなかったと打つ勇気が出なかったのです。