
送信取り消しを繰り返す僕→彼女に画面を差し出されたとき、何も言えなかった
気持ちを伝えることが、昔から得意ではありませんでした。彼女のことは好きで、会うたびに伝えたいことはたくさんある。それなのに、いざ文字にして送信ボタンを押した瞬間、急に恥ずかしくなってしまう。そんなことを、付き合ってからもずっと繰り返していました。
送っては、消した
「好き」と送って、すぐに取り消す。「会いたい」も、「今日の服かわいかった」も、全部同じでした。送った直後に後悔するわけではないけれど、相手に届いていると思うと急に気恥ずかしくなってしまう。
冷静に見返すと、自分らしくない気がして、気づけばいつも「送信を取り消しました」に変えていました。彼女はきっと気にしていないだろうと、そのときはそう思っていたのです。
まさか、全部残っていたとは
ある日、彼女が「ちょっと見てほしいものがある」「これ、全部あなたが送って取り消したやつ」と言って、スマートフォンの画面を差し出してきました。そこには、見覚えのある文章が、いくつも並んでいました。
「好き」「会いたい」「今日の服かわいかった」。自分が送って、すぐに消したはずの言葉たちが、スクリーンショットとして保存されていたのです。
通知バナーに残ることを、まったく考えていなかった。言葉が出てこなくて、ただ黙り込むことしかできませんでした。