
「鍵はまだ渡せないんだ」彼にそう言われた私が、そのまま引っ越しの日を迎えた話
彼と暮らすための部屋なのに、私だけが鍵を持っていませんでした。採寸のために訪れた新居で、玄関を開けたのは彼です。私はその後ろで、入れてもらうのを待っていました。「鍵はまだ渡せないんだ」と言われたまま、引っ越しの日が近づいていきました。
鍵を持っているのは、彼だけ
付き合って3年になる彼と、同棲する部屋を借りました。家具の配置を考えたり、カーテンの色を相談したりして、2人の暮らしが始まることを楽しみにしていました。
けれど、契約のときに受け取った鍵は、いつのまにか彼がまとめて持っていました。採寸のために新居へ行ったときも、玄関を開けるのは彼です。
私も住む部屋なのに、自分の鍵が手元にありません。メジャーで窓の幅を測りながらも、そのことばかり気になっていました。
「まだ渡せない」の意味
私は「私の分の鍵は?」と聞きました。彼は採寸メモを見ながら、「鍵はまだ渡せないんだ」と答えました。
理由を聞いても、返ってきたのは「気にしないで」だけでした。これから一緒に暮らす場所なのに、私は彼の部屋に入れてもらっている人のように感じました。
家具を選ぶ話も、収納の相談も、前ほど楽しく聞けなくなりました。鍵を持てないままでは、この部屋を自分の家だと思えない気がしたのです。
引っ越しの日に差し出された鍵