
「そこまで口出しされること?」元恋人とつけるはずだった指輪を外さなかった俺
外してと言われた俺は、つい口答えをしました。未練がないなら問題ないはずだと思っていた俺に、彼女が返してきたのは、指輪の由来とは別のところを突く一言でした。
聞かれた瞬間、俺は言い訳を3つ数えていました
付き合って半年、彼女の部屋で皿を洗うのは俺の役目になっていました。
「その指輪、外さないの?」
軽い声でした。答えるまでの数秒で、俺は使えそうな言い訳を3つ数えています。もらい物だ、サイズが合っていて抜けない、意味なんてない。
「これは、外せないんだ」
出てきたのはそれだけです。
「誰かにもらったの?」
「昔の話だよ」
自分で買ったものです。訂正しなかったのは、訂正すれば全部話さなければならなくなるからでした。
そこまで口出しされること
それから彼女の聞き方が変わりました。俺が友人の名前を出すと、どんな人かを確かめる。写真を見せると、端のほうを見ている。彼女が自分の左手の薬指に銀色をはめて見せたときも、当てこすりだろうとは思いました。思っていて「似合うね」としか言いません。
「外して。無理なら、理由を聞かせて」
そう言われて、俺は「そこまで口出しされること?」と返しました。未練はない。だから外す理由もない。俺の中では話がそこで完結していたからです。