
彼が送ってきた指輪のサイズ表。丸で囲まれていたのは私のサイズじゃなかった。「これ、誰のサイズ?」
彼から一枚の画像が送られてきました。開いてみると、それは指輪のサイズを調べるための一覧表。ひとつの数字が、赤い丸で囲まれていました。ところがその数字は、私の指のサイズとは違っていたのです。
赤い丸で囲まれた数字
彼とは付き合って三年になります。連絡はこまめなほうですが、自分のことはあまり話さない人でした。その彼から、めずらしく画像が一枚届いたのです。
それは、指輪のサイズを号数で確かめるための一覧表でした。指に紙を巻いて測るタイプの、よくあるものです。表の中のひとつの数字が、赤いペンで丸く囲まれていました。
私は自分の号数を知っています。けれど、囲まれていたのは、それとは違う数字でした。私の指のサイズではない誰かの号数が、そこにはっきりと記されていたのです。
「ごめん、間違えて送った」
画像を見つめていると、すぐに次のメッセージが届きました。
「ごめん、間違えて送った」
そして、先ほどの画像は彼の手で取り消されていました。けれど、丸で囲まれた数字は、もう私の頭に焼きついていました。
なぜ彼が指輪のサイズ表を持っているのか。なぜ私のものではない号数が囲まれているのか。なぜ、それを間違えて私に送ってしまったのか。考えるほどに、答えはひとつのほうへ傾いていきました。
彼は私の知らないところで、誰かに指輪を贈ろうとしているのではないか。画面を伏せても、その考えは消えてくれませんでした。