
嫁を「気が利かない」と言い続けた私→嫁が来なかった法事で、全てが崩れた
親戚の集まりのたびに、私は決まって口にしていました。「うちの嫁は気が利かなくて」。本心ではありませんでした。
「気が利かない嫁」という言葉の裏側
嫁を「気が利かない」と言い始めたのには、きっかけがありました。嫁が来てから、法事の準備は見違えるほど手際よくなったのです。料理の味も上がり、親戚たちは「お嫁さん、すごいわね」「何でもできるのね」と口々に褒めるようになりました。
その言葉を聞くたびに、胸の奥がちくりと痛んだのです。だから「気が利かなくて」と先に言うことで、自分の立場を保とうとしました。褒められる嫁の隣で、存在感を失っていくのが怖かったのです。
全てを任せていた後ろめたさ
正直に言えば、私は嫁に甘えていました。買い出しも仕込みも当日の段取りも、いつの間にか全て嫁任せになっていたのです。それなのに、親戚の前では自分が仕切っているように振る舞っていました。嫁が作った料理を自分の手柄のように話したこともあります。
後ろめたさはありました。けれど一度始めれば止められず、嫁の働きを素直に認めることが、自分の無力さを認めることと同じに思えてしまっていたのです。