
別れた彼女の近況を、友人に聞き続けていた僕、改札前で鉢合わせた日、後から届いた伝言とは
「直接は、無理だよ」目の前でそう答えた僕のもとに、数日後、彼女からの言葉が届きました。返事の代わりに、僕は1つの習慣をやめることにしました。
別れを切り出したのは僕だった
別れ話を切り出したのは、僕のほうでした。仕事を理由に会う回数を減らし、最後は一方的に関係を終わらせました。彼女は責めることなく、わかったとだけ言って帰っていきました。だからこそ、連絡先は残っていても、送る資格はないと思っていました。
代わりに僕は、共通の友人にメッセージを送るようになりました。仕事は続けているか。引っ越したのか。恋人はいるのか。彼女が元気でいると聞けた日は、眠りが少しだけ深くなりました。確かめていたのは彼女の近況ではなく、自分の罪悪感の重さでした。
目の前に本人がいても
数日後、駅の改札を出たところで、彼女と鉢合わせました。先に気づいたのは僕で、とっさに目を逸らしました。素通りしてくれると思った彼女は、僕の前で立ち止まりました。
「気になるなら、私に直接聞いたら?」
友人とのやりとりを知られている。そう理解するまで、少し間がありました。目の前に本人がいても、僕は「直接は、無理だよ」とだけ答えました。本音を言えば、彼女の口から新しい生活の話を聞くのが怖かっただけです。彼女は改札前を離れていきました。