
業務チャットに埋もれた返信を、日付が変わるまで待った俺
「仕事中に一言でいいから、返して」彼女に頼まれて初めて、俺は自分の「誠実さ」がどれだけ自分勝手だったかを知りました。
勤務中のメッセージは、返さないと決めていた
受託開発をやっている俺は、勤務時間中は同僚と客先の業務チャットに常時つながっています。彼女から「今週末どこ行く?」と届いても、頭の半分は仕様書に向いていて、短く「今忙しい」とだけ返すのは彼女に失礼な気がしていました。
だから、腰を据えて話せる、日付が変わったあたりまで返信を待つ。それが俺なりの誠実さのつもりでした。半年、そう続けてきました。
「起きてる?」と送るのが、俺の日課になっていた
終業のあとも溜まった作業を片付けていくと、気づけば日付が変わっています。ようやく一息ついて、彼女に「起きてる?」と送る。既読の速さでいつも起きているのが分かって、ほっとしました。眠そうな返信スタンプに応えながら、俺は自分が誠実なつもりでいました。でも、返信の時間だけ揃えて、彼女がどう受け取っているかを想像したことはありませんでした。