
妻の陶芸を段ボールに詰めた俺が、飾り棚の完成日を切り出せなかった理由
木箱が届く日まで、俺は図面を鞄の底に入れたままでした。
動線を変える計画のこと
妻が陶芸を続けてきた3年間、俺は隣で拙いながらも愛のこもった皿を見せてもらってきました。妊娠がわかってから、和室に赤ちゃんを寝かせるスペースを作る話が2人の間で出ていました。棚の器を安全に移すのが最後の課題でした。妻の作業机を作った職人に、同じ木で飾り棚を頼んだのが、1週間前です。木材の乾燥に時間がかかると言われ、届く日はまだ先でした。
「邪魔だから」と言ってしまった理由
玄関の音がして、妻が台所へ入ってきました。俺は米を研ぐ手を止められずにいました。「私の作品たちは、どうしたの?」と聞かれ、口から出たのは「邪魔だから」の一言でした。振り向いた妻の顔を横目で見た瞬間、順番を間違えたと悟りました。図面を先に見せて、器を移す相談をしてから包むべきだった。そう思っても、米を研ぐ手だけが動いていました。