
車体を低くしすぎた彼の口癖は「擦ってないか見て」→毎回車から降ろされる私が、彼を置いて帰ったら…
好きな人のためなら、少しくらいの手間は気にならない。そう思っていたはずでした。けれど、「私って何なんだろう」と心のどこかで感じ始めたとき、その関係は少しずつ変わり始めます。今回は、彼のこだわりの愛車に振り回され続けた女性のエピソードをご紹介します。小さな違和感が積み重なったとき、彼女がとった行動とは…。
助手席の私の役割
彼と付き合って1年。彼は車が大好きで、車高をギリギリまで下げたスポーツカーに乗っています。問題は、段差やコンビニの入口を通るたびに「ちょっと降りて、擦ってないか見て」と私を降ろすこと。最初は「はいはい」と笑って付き合っていました。でも、それが毎回なのです。スーパーの駐車場の出入り口、踏切の手前、少しでも段差がある場所では必ず。デート中に降ろされた回数を数えたことがあります。1日で7回でした。
「それくらい自分で見れば?」と一度だけ言ったことがあります。彼は「運転席側からじゃ下見えないんだよ。助手席側が見やすいから」と答えました。それが理由なら、自分が降りて助手席側に回ればいいだけの話です。でも彼は「俺が降りたら誰が運転するの」と笑って、それきりでした。
SNSに車の写真を上げるのも彼の日課で、「もうちょっと低い位置から撮って」「光の加減がいいから今撮って」と頼まれるたびに、しゃがみ込んでシャッターを切っていました。降ろされるのも撮るのも、いつの間にか「助手席の私の仕事」になっていたのです。
雨の記念日
付き合って1年の記念日。彼が予約してくれたレストランに向かう途中のことです。その日は朝から雨。私はワンピースにヒールという格好でした。それでも段差のたびに「見てきて」と言われ、傘もろくに差せないまま車の横にしゃがみました。彼は運転席から窓を開けて「大丈夫? 擦ってない?」と聞くだけ。「足元、気をつけてね」の一言もありません。3回目に降ろされたとき、ストッキングが伝線しました。濡れた膝を拭きながら助手席に戻ると、彼は「シートが濡れるから、ちゃんと拭いてから座って」と言いました。